
コスモ石油グループが考える「誠実」とは、法を守るといった型どおりのものだけではなく、人の気持ちとして理解される、社会と心の通った企業活動を行うこと。そこから「信頼」を勝ち取っていくことにほかなりません。そのために、ネガティブなものを含めすべての情報を開示し、透明性の高い経営を心がけ、社員一人ひとりの自覚を促す教育と施策を徹底していきます。
企業倫理研修
コスモ石油グループでは、企業倫理への認識を高いレベルで維持するため、グループ社員を対象とした企業倫理研修を毎年実施しています。職務に応じた知識を取得できる階層別の研修に加え、事業所長・グループ会社社長が主催する職場ごとのテーマに沿った研修も行っています。
2010年度は、研修内容として「情報システムの適切な利用」について再度周知徹底を行い、社員一人ひとりの情報セキュリティに関する意識を高めました。また、技術部門を対象とした技術者倫理研修を新たに導入し、技術者ならではの倫理観について認識の向上を図りました。さらに「不正リスクの防止」「独占禁止法および担保」「ハラスメントの防止、差別意識の撤廃」等の個別テーマについては、身近な事例を活用した研修を実施することで、社員の理解度をより高めることをめざしました。
2010年度の参加者数は、研修を受講する機会を増やしたことなどにより、グループ全体で前年度から860名増加の延べ3,611名となりました。研修後、参加者にはアンケートを実施しており、そのアンケート結果を翌年以降の研修における企画等に活用していく予定です。 ![]()
2011年2月~4月、コスモ石油グループ19社の役員・社員を対象とした「CSRに関する現状調査」を前年度に引き続き実施しました。これは、CSR経営を推進するにあたり、改善点の洗い出しやこれまでの取り組みの効果を検証するために実施しているものです。調査は匿名で実施され、調査票の回収は外部機関に委ねています。こうした方式を採用した結果、約98%(回答者数4,828名)という高い回答率となりました。
外部専門家による分析では、グループ全体でCSR上のリスクは概ね減少傾向にあるものの、少数ながらコンプライアンス違反や安全に関するリスクが「ある」とする回答も存在しました。この調査の結果をCSR経営の充実に活用し、「リスクがある」という回答がゼロになることをめざします。具体的には、上司と部下のコミュニケーション強化、階層別教育・研修、コンプライアンス関連マニュアルの整備等の改善策を本社関連部署および各事業所で検討し、実施していきます。
コスモ石油グループの業務における法令および倫理上の問題を相談・通報できる窓口を社内と社外に設置しています。
社内は、企業倫理推進室内に企業倫理相談窓口を、人事部門内にセクシュアルハラスメントおよびパワーハラスメントに関する相談窓口を設けています。また、外部専門家へ直接相談できる窓口も設置し、相談者の不利益にならないよう匿名性を確保しています。
2010年度はあわせて5件の相談を受けました。
リスクに対する現場社員の意識を高め、それを企業風土として根付かせていきたい。
コスモ石油(株)
総務部リスクマネジメントグループ長
荒木 謙二
コスモ石油グループのリスクマネジメントのポイントは、まだ顕在化していないリスクを先回りして洗い出し、その要因を適切に評価して必要な対策を講じるということにあります。
また、コスモ石油のこだわりであり、今後の課題でもあるのは、現場に視点を置いたリスク対策の取り組みです。現場の状況をもっとも知っているのは、当然その現場で働いている社員ですから、一人ひとりがそれぞれの業務についてリスクの洗い出しを行い、それを会社のリスクとしてクローズアップさせて、全社的に取り組む。このような体制の構築が必要になります。私たちリスクマネジメントグループの仕事は、社員のリスクに対する意識を高めることから始めて、それを企業風土として根付かせていくことであると考えています。
現場社員の意識を高めるには、部署や会社の壁を越えた横のコミュニケーションを充実させることが大切ではないでしょうか。どうしても組織にいると自分がいる組織のことだけを考える傾向になりがちですが、新しい「気づき」があった場合は、自分の管轄部署以外にも積極的に伝えるべきだと思います。私は、東日本大震災を受けてコスモ石油の社員一人ひとりの「リスク」に対する感度が非常に上がったのではないかという印象を持っています。大切なことは、社員一人ひとりの向上したリスクに対する感度を会社としてどのように吸い上げていくかであり、その仕組みづくりが急務と考えています。


