コスモ石油株式会社(本社:東京都港区、資本金:624億円、社長:木村彌一)では、2005年1月より硫黄分が10ppm以下のサルファーフリー軽油を供給しておりますが、このサルファーフリー軽油の製造を可能にした軽油脱硫触媒の開発技術と産学官連携による触媒表面状態の解明ならびに水素化脱硫作用機構の解明の研究成果が高く評価され、このたび平成18年度産学官連携功労者表彰として経済産業大臣賞を受賞(*注釈1)することとなりましたのでお知らせします。石油業界としては、初の受賞となります。
記
| 受賞名 | 平成18年度産学官連携功労者表彰 経済産業大臣賞(*注釈2) |
|---|---|
| 受賞題目 | 「サルファーフリー軽油製造のための高機能新規脱硫触媒の開発」 |
| 受賞理由 | 九州大学や島根大学における触媒活性成分(コバルト、モリブデン)の高分散化概念や固体酸添加等の脱硫触媒高機能化理論を、当社が高度な触媒調製技術により統合し、サルファーフリー軽油の製造に適した高性能な脱硫触媒を開発するとともに実用化まで仕上げた成果が産学官連携の成功事例として高く評価され、本受賞に至りました。 |
| 技術内容 | 当社は1999年より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、石油産業活性化センター(PEC)のプロジェクト(プロジェクトリーダー:九州大学持田勲特任教授)に参画し、中央研究所(埼玉県幸手市)において軽油中の硫黄分を低減するための脱硫触媒の開発を行いました。その結果、サルファーフリー軽油(*注釈3)の製造を可能とする高活性脱硫触媒の開発に成功しました。 軽油をサルファーフリーにするには、難脱硫性硫黄化合物を十分に取り除く必要があります。この難脱硫性硫黄化合物を効果的に脱硫するために、九州大学、島根大学の脱硫触媒高機能化理論をベースに当社の新規触媒調製技術により触媒表面上の脱硫活性成分をナノレベルで高分散化しました。開発した触媒の脱硫性能は、従来の軽油脱硫触媒の約3倍です。 開発触媒の水素化脱硫作用機構については九州大学持田勲特任教授の担体における酸性の役割及び軽油留分高度分析技術により、また、開発触媒の活性成分の分散状態については島根大学岡本康昭教授が開発した触媒の表面分析技術により解明されています。 開発触媒は、当社の全製油所の軽油脱硫装置に導入され、設備を大幅に増強することなくサルファーフリー軽油の商業生産及び安定供給を行うに至っております。 |
- ※注釈1 九州大学産学連携センター特任教授 持田勲氏並びに島根大学総合理工学部教授 岡本康昭氏と当社中央研究所水素化精製グループ長 藤川貴志の連名受賞です。
- ※注釈2 産学官連携で成果をあげた大学、企業による成功事例についてその功績を称えるもので、このたびの経済産業大臣賞は、鉱工業の科学技術振興の観点から極めて顕著な功績または功労があったと認められる者へ贈られる賞です。
- ※注釈3 ディーゼル軽油は、サルファーフリーにすることにより、より一層排気ガス中の窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)を低減することができます。さらに燃費の向上を通じて炭酸ガス(CO2)削減効果が期待でき、地球温暖化対策としても有効です。
以上
